営業の極意-①
飛び込み営業と言う仕事を、結構やっている。
生まれて初めて行く所で、初めて会う人と信頼関係を作って、完成しないと分からない商品を売ってくるという仕事をしている。
実は、この業界に飛び込み当初、2年間も全く売れなかった。
本来なら、当然クビ。長くいても、半年が関の山の世界だったのだが、なぜか気に入ってくれている一部の上司の方々がいて、頑張ってこれた。
本人も楽観主義的なところもあり、『そのうち何とかなるだろう』と苦しかったけれど、前向きにやったのも良かったような気がする。
でも、実は一度やめようと辞表まで書いた事がある。その時、その上司たちに止められたのだ。
今思うと、
こうしてこの営業界で長く(15年余)いられるのは、
そうした方々のお陰としか言いようがない。(感謝)
どんなモノでも、どんな事でも、要は、人。人でしかないのだ。
よく先輩に「人を売ってこい!」と言われたが、
その言葉自体は、私の少ないボキャブラリーのなかでは、“人身売買”(笑)を意識してしまい、あまりいい表現ではなかったのだが、最近たまに言われる。
初対面なのに、「お人柄に、惚れました。」
顧客にコクられたようで、嬉しいやら、こっ恥かしいやら。
不謹慎とも思われるが、そのお客様をいとおしく思ってしまうし、
何とかしてあげたいと言う気持ちで、いっぱいになる。
今の飽食の時代、なかなか簡単には売れない。
私が売っているものは、結構額も張るので、顧客も
一大決心、時には、不可能だと思っているを可能にする時もある。
試行錯誤の資料作りや準備その他で、四日くらい徹夜したこともある。
顧客も必死なら、こちらも命がけで臨まないと、契約はそう簡単には取れないのだ。
前述の上司に、「契約を取りに行くときには、白装束(死ぬ気)を
着ていくつもりで行きなさい」と言われていた。
「生半可な気持ちで行くと、返り討ちにされますよ。」と、よく言われた。そして、毅然として、交渉に臨み、契約が取れた時には、ある意味至極の快感が待っている。
この厳しいけど楽しい世界が、営業と言う仕事ではないのだろうか?
よく営業がなければ、何も始まらない、一度は、どんな業種の
人間も営業を経験しておくべきだと言われる。
営業は、この真髄の部分が理解できると、やめられない人類愛にあふれた仕事なのである。